大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)1756号 判決

弁護人は原判決は被告人が組合の代表者であることを認めながら大槻益治がその業務に関してなした行為について処罰したが物価統制令第四十条は法人又は人を処罰の対象とし組合を処罰の対象としていない。而も被告人は個人として本件の営業をしたものでないから原審が被告人に対し同条を適用処断したのは違法であると主張するけれども、同条は法人の代表者又は法人若くは人の代理人使用人其の他の従業者が其の法人又は人の業務に関し同条所定の違反行為を為したるときは行為者を罰するの外其の法人又は人に対し各本条の罰金を科すべき旨規定し故意過失の有無を問うことなく其の処罰を事業主に迄及ぼし而も之を単なる一個人の場合に限定していないのである。従つて法人格を有しない組合の使用人其の他の従業者が物価統制令違反の行為を為したるときは行為者を処罰するの外同令第四十条の適用により組合員各自が処罰の対象となるのである。若し所論のように同条所定の事業主たる人を単なる一個人に限定し組合を組織せる多数人なる場合其の各構成員個人に責任が及ばないならば各個人は壇に組合を形成し同条の適用外に立つて公然本令違反の行為を敢行し而も其の刑事上の責任は挙げて之を一使用人若くは従業者に帰せしむるの外なき結果となり経済統制の乱るるの弊之より甚だしきはなくかくては遂に本令の目的は沒却せらるること必然であつて到底認容することはできない。而して原判示の組合は共同の事業を営むことを目的とする団体で之を構成する各人と切離したる独立の人格を具有する法人でないから経済上一個の企業単位を形成する組織形態であつても同条の適用上人として組合自体に刑事上の責任を負担せしめることはできない。従つて本件組合の構成員各自が同条の人として夫々同条所定の責任を負はなければならないのである。本件はたまたま被告人が原判示組合の代表者であつたという事実に基いて組合構成中被告人のみが起訴せられた案件であるから原審は被告人に対し同条を適用処断したのである。記録を調査するに原判決に事実の誤認なく被告人が原判示組合の代表者であつたこと明瞭であるから原審の措置は正常である。論旨は採用できない。

(註。本件は量刑不当により破棄自判)

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